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鰤と真鯛

縁起のよい魚 ブリとマダイ

海に囲まれた日本は良質な海の幸に恵まれています。そのなかでも脂がのったブリ、赤い体色が美しいマダイは、どちらも縁起のいい魚として古くから愛されてきました。それぞれにおいしく食べられる旬がありますが、現在は環境への負荷を軽減した養殖技術が発達し、一年を通しておいしく食べられるようになりました。また、養殖によって生産が安定したことで海外への輸出も増加してきています(図1、図2)。日本の養殖技術は世界に誇るものです。世界に誇るブリ、マダイのおいしさをここにご紹介します。

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養殖業とは?

魚介類を人工的に育てる産業を養殖業といいます。カロリーや栄養素を計算して作った理想的な餌を与えられているため、天然魚よりも高い栄養が備わっていることもあるうえ、天然に劣らないおいしさを誇ります。また、餌が残って海を汚すことがないよう、環境負荷の少ない餌を開発するのは当然、AIやIoT技術を活用し、最適なタイミングと量で給餌するシステムを導入することによって、地球にやさしい持続可能性(サスティナビリティ)を確保した養殖が行われるようになっています。

鰤  ブリ BURI (yellowtail)

ブリは日本の固有種です。成長して大きさが変わるごとに名称が変わるので、出世魚として知られています。ブリはまた栄養的にも注目されています。良質なタンパク質に加え、動脈硬化や血液の改善に有効なEPA、脳や神経の働きに効果があるとされるDHA、さらにビタミンB群、ビタミンDなどが豊富に含まれています。もともと回遊魚であるブリは、安定的にとれるものではありませんでしたが、養殖技術が発達したおかげで現在は良質なブリを一年中入手できるようになりました。

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真鯛  マダイ MADAI (Red sea bream)

「めでたい」に通じる名のタイは、縁起がよい魚としてお祝いごとで重用される魚です。タイ科の魚は世界に約100種がいますが、そのうち日本近海には13種が生息しており、その代表がマダイです。淡白で上品な味わいを持ち、どんな料理とも合わせやすい白身です。近年は日本の養殖技術も発達し、全養殖のマダイの漁獲量は天然ものの約4倍にものぼっています。マダイは100%人口種苗からの完全養殖であり、エサや飼育方法に工夫を凝らして育ててきたことで、養殖ものは天然ものにおとらないおいしさを誇り、とても手に入りやすくなりました。

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